トタン屋根は高知のような風雨の多い地域においては、非常に優れた実用性を発揮しますが、経年劣化や気象被害により、定期的な修理やメンテナンスが必要です。この記事では、トタン屋根の修理にかかる費用の目安や施工方法、そして信頼できる修理業者を選ぶためのポイントについて詳しく解説します。
修理内容は小規模な補修から全面的な葺き替えまで多岐に渡り、費用にも大きな差があります。さらに、施工の質によっては修理後の耐久性や美観に影響を及ぼすため、適切な施工方法の選択と、信頼できる修理業者への依頼が不可欠です。
高知のような気象条件を踏まえた修理計画を立てることで、建物の寿命を延ばし、安全・快適な住環境を維持することができます。
トタン(板金)屋根とは?
トタン屋根とは、鉄板に亜鉛メッキを施した薄い金属板「トタン」を使った屋根のことです。高知では、台風や大雨に強い屋根材として古くから広く利用されてきました。軽量で施工が容易なことから、住宅だけでなく倉庫や物置などにもよく使われています。
高知でよく施工されているのは縦ハゼ葺き、瓦棒、横葺き、折板、大波、小波などです。
縦ハゼ葺き
瓦棒
横葺き
折板
トタン屋根の主なメリットは以下のとおりです。
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軽量で住宅への負担が少ない
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施工が比較的簡単で費用が抑えられる
ただし、デメリットも存在します。
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サビやすい(特に高知のような湿気の多い地域)
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防音性・断熱性が低い
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経年劣化によるトラブルが発生しやすい
このような特徴から、トタン屋根は定期的な点検と適切な修理が必要となります。
トタン(板金)屋根の修理方法の種類
トタン屋根の修理にはさまざまな方法があります。以下では、それぞれの方法を詳しく解説し、どのような状況に適しているのかを紹介します。
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応急処置や部分補修:小規模な穴やサビの修理に適しています。
例えば、一部のサビや穴あき箇所を一時的にふさぐ処置が必要な場合に有効です。使用する材料は防水テープ、シーリング材、金属パッチなど。緊急性が高いときの応急処置として行い、その後の本格的な修理までの時間を稼ぐために使われます。特に高知のような雨が多い地域では、迅速な応急処置が被害の拡大を防ぎます。DIYでも可能な範囲ですが、状態によっては専門業者への相談が必要です。
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棟板金の交換:屋根の頂点部分からの雨漏り対策として行います。
棟板金は屋根の最も高い部分に取り付けられており、左右の屋根材を押さえ、接合部分からの雨水の侵入を防ぐ重要な部材です。台風や強風で飛ばされたり、経年劣化により浮きやサビが発生すると、雨漏りの原因となります。特に高知では風雨の影響を受けやすいため、棟板金の状態を定期的にチェックすることが重要です。修理方法としては、古い棟板金とその下地の貫板を撤去し、新しい材料に交換します。この際、防水シートの補強やビスの打ち直し、シーリングによる防水処理などをしっかりと行います。棟板金の素材にはガルバリウム鋼板などの耐食性の高い金属が推奨されます。
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カバー工法:既存屋根の上から新しい屋根材を重ねて施工します。
カバー工法(重ね葺き工法)は、古くなったトタン屋根を撤去せずに、その上から新しい屋根材をかぶせる施工方法です。工期が短く、廃材処理費用も発生しないため、コストを抑えつつ断熱性・防音性・耐久性を高めたい場合に適しています。短期間で施工が完了することにより、梅雨や台風シーズンに備えたスピーディなリフォームが可能です。使用される屋根材には、ガルバリウム鋼板があり、建物の構造や地域環境に応じて選択されます。注意点として、既存の屋根の劣化が激しい場合や下地が腐食している場合は、カバー工法が適さないこともあります。そのため、事前に業者による丁寧な現地調査が必要です。高知では、強風対策としてビス止めや防水シートの補強を入念に行うことが推奨されます。
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葺き替え工事:老朽化した屋根をすべて新しく取り替える大規模修繕です。
葺き替え工事は、既存のトタン屋根をすべて撤去し、新しい屋根材に交換する根本的なリフォーム方法です。屋根材だけでなく、下地の野地板や防水シート、棟板金、場合によっては断熱材なども新しく取り替えるため、耐久性・防水性・断熱性が大きく向上します。高知のような台風や長雨が多い地域では、雨漏りリスクを徹底的に解消できるため、築年数の経った住宅には非常に有効な手段です。葺き替えには工期がかかり、費用もカバー工法より高額になりますが、長期的な視点では最も確実な修理方法と言えます。新しい屋根材には、従来と同じトタンや、より耐久性に優れるガルバリウム鋼板、さらには遮熱効果のある素材などを選ぶことができます。一般的には築20〜30年を目安に葺き替えを検討するのが理想的であり、屋根の状態によっては早めの判断が重要です。
トタン(板金)屋根の応急処置や部分補修の費用と方法
部分補修の費用
高知でのトタン屋根の部分補修費用は、状況や面積により異なりますが、以下が目安です。
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小さな穴(1〜2箇所)の修理:15,000円~
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トタン板1〜2枚の張り替え:50,000円~
特に高知では台風による飛来物で一部が破損することがあり、その際に迅速な部分補修が求められます。
部分補修の方法
主に以下の手順で実施されます。
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損傷箇所の確認
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最初のステップは、屋根全体を目視で確認し、穴、釘抜け、サビなどの損傷箇所を丁寧にチェックすることです。
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雨漏りの兆候やサビの広がり、トタンの浮きや変形といった劣化症状も見逃さずに把握します。
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また、作業中の安全確保のために足場や滑り止め対策も合わせて実施します。高所作業のため、専門業者が安全管理を徹底することが大切です。
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必要に応じてトタン板の交換
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損傷が広がっていたり、サビが進行している箇所では、シーリングや金属パッチでの補修では対応しきれないことがあります。そのような場合には、該当する部分のトタン板自体を新しいものに交換します。
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トタン板の交換は、部分的なものから広範囲のものまで対応可能で、現場の状況に応じて柔軟に判断されます。
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交換する際は、まず古いトタン板を取り外し、下地(野地板や防水紙)の状態を確認・補修します。
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下地の痛みがあれば、そこも一緒に修理することで、再発を防ぎ、屋根の寿命を延ばすことができます。
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新しいトタン板には、従来の亜鉛メッキ鋼板、ガルバリウム鋼板などの高耐久素材が使用されることが一般的です。
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高知のような高温多湿・風雨の多い地域では、より防錆性の高い素材を選び、ビス止めや防水処理も丁寧に行うことが重要です。
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補修後は塗装で仕上げ
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トタン板の交換や釘・ビスの打ち増し、シーリング処理を終えた後には、塗装を行うことで屋根の耐久性や遮熱性を向上させることができます。
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使用する塗料にはサビ止め効果・密着性を高める下塗り材を使い、その上から中塗り、仕上げ塗りを重ねることで長期保護を実現します。
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高知のように紫外線や雨が多い地域では、耐候性に優れた塗料(ラジカル抑制機能、フッ素系、無機塗料など)を選ぶことで塗膜の劣化を遅らせることができます。
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また、補修箇所だけでなく、その周辺にも塗装を施すことで、再びサビが広がるリスクを防ぎ、全体的な美観と耐久性を保つことができます。
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トタン(板金)屋根の棟板金の交換費用と方法
棟板金の交換費用
棟板金の交換は、屋根修理の中でも比較的高額になることがあります。
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10〜15m程度:30,000円〜80,000円
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勾配が急な屋根や3階建て以上の建物:追加費用(10,000円〜30,000円)
棟板金の交換方法
棟板金は屋根の山の部分に設置され、両側の屋根材の継ぎ目を保護する役割を持ちます。施工手順は次のとおりです。
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古い棟板金と下地材(貫板)の撤去
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新しい貫板の設置
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新しい棟板金の取り付けとビス固定
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接合部のシーリング処理
高知では塩害の影響を受ける地域もあるため、ガルバリウム製などの耐久性が高い材料を選ぶことが推奨されます。
トタン(板金)屋根の屋根塗装の費用と方法
トタン(板金)屋根の塗装費用
屋根塗装の目安費用は以下の通りです:
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単価:2,000円〜4,000円/m²(塗装のみ)
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住宅1棟(50m²程度):100,000円〜200,000円(塗装のみ)
選ぶ塗料の種類(シリコン、フッ素、無機)によって費用が変わります。耐久性の高い塗料は初期費用は高いものの、長期的にはコストパフォーマンスに優れています。
トタン(板金)屋根の塗装方法
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高圧洗浄で旧塗膜と汚れを除去
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塗装前の下地処理として、高圧洗浄は非常に重要な工程です。屋根表面に付着した汚れ、コケ、カビ、ホコリ、旧塗膜を強力な水流で除去します。
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特に高知のように湿気が多く、コケや藻が発生しやすい地域では、高圧洗浄により屋根材の表面を清潔に保つことが、塗装の密着性を高めるうえで不可欠です。
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水圧は強すぎるとトタンを傷つける可能性があるため、適切な圧力で行う必要があります。業者によっては、洗浄ノズルや角度を使い分けて丁寧に作業を行います。
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汚れが残っていると塗料が浮きやすくなり、塗膜の剥離や早期劣化の原因となるため、時間をかけてムラなく洗浄を行うことが大切です。
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また、トタン屋根にある古いサビ止め塗料や劣化した塗膜も、この工程で可能な限り削ぎ落とし、塗装工程に最適な下地を整えます。
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ケレン(サビ落とし)作業
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ケレン作業は、トタン屋根の塗装前に行うサビ落としや旧塗膜の除去作業で、塗料の密着性を高めるために欠かせない工程です。
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ケレンには「1種ケレン(全面除去)」「2種ケレン(部分除去)」などの種類があり、屋根の劣化状況に応じて適切な方法が選ばれます。
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手作業ではワイヤーブラシやヘラ、電動工具ではディスクグラインダーや電動サンダーなどが使用され、凹凸や細かい部分まで丁寧に処理します。
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トタン表面に残ったサビや粉状の劣化塗膜を除去することで、塗料の剥がれや浮きのリスクを大幅に軽減できます。
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高知のように塩害や湿度の高い環境では、サビの進行が早いため、ケレンの丁寧さが塗装の寿命に直結します。
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ケレン後は、エアブローや清掃で細かな粉塵を除去し、塗装の下準備として完全に整えます。
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サビ止め塗料の下塗り
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ケレン作業を終えたら、次に行うのがサビ止め塗料の下塗りです。これは、金属の表面に塗膜を形成し、酸素や水分の接触を防ぐことでサビの発生を抑える工程です。
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使用されるサビ止め塗料には、赤錆色のエポキシ系、変性エポキシ、亜鉛メッキ専用プライマーなどがあります。屋根の材質や状態に応じて最適なものを選定します。
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特に高知のように湿気が多く、沿岸部では塩害の影響を受けやすい地域では、防錆力の高い塗料が求められます。
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下塗りは刷毛やローラー、スプレーガンなどで均一に塗布し、ムラや塗り残しがないようにすることが重要です。
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この工程が不十分だと、後の中塗り・上塗り塗料の密着が悪くなり、早期の剥がれや浮き、サビの再発につながる恐れがあります。
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通常は1回塗りで十分な厚みが確保されますが、特に劣化が進んだ屋根には2回塗りすることもあります。
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中塗り・上塗りの重ね塗り(2回〜3回)
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サビ止め塗料の下塗りが乾燥した後、中塗り・上塗りの工程に入ります。これらは最終的な色やツヤ、そして防水・耐久性能を決定づける重要な作業です。
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中塗りは、塗膜の厚みを増し、色ムラや下地の露出を防ぐ役割があります。
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上塗りは仕上げ塗装であり、屋根の美観を整えるだけでなく、紫外線や酸性雨などの外的要因から屋根を保護する最終防壁となります。
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高知のように紫外線や塩害、強風による飛来物が多い地域では、フッ素系や無機塗料などの高耐候性塗料を選ぶことで、塗膜の劣化を最小限に抑えることが可能です。
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塗装は最低でも2回、場合によっては3回重ね塗りすることで、厚く均一な塗膜を形成し、長期間にわたる保護効果を発揮します。
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重ね塗りの際は、各塗装層の乾燥時間を守り、塗料がしっかりと定着するよう丁寧に作業を進めることが重要です。
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最終確認と仕上げ
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中塗り・上塗りの塗装が完了した後は、全体の仕上がりを確認する工程に入ります。この最終確認は、塗膜のムラや塗り残し、気泡、ひび割れがないかを徹底的にチェックする重要なプロセスです。
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また、塗料の乾燥状態や塗膜の厚さがメーカーの仕様通りになっているかどうか、光の加減で色ムラが見えないかなど、複数の視点で検査します。
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屋根材の重なり部分や雨樋、棟板金との接合部など、細かい部分にも塗り残しがないか注意深く確認します。
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高知のような紫外線や降雨の強い地域では、わずかな塗装ミスが劣化につながるため、見逃しがないよう丁寧に点検を行う必要があります。
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最後に、使用塗料や工事内容、今後のメンテナンス時期を記載した施工完了報告書を作成し、写真付きで施主に提出するのが一般的です。
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高知のような紫外線や降雨の強い地域では、耐候性・防水性を重視して塗料を選ぶことがポイントです。
トタン(板金)屋根のカバー工法の方法と費用
トタン(板金)屋根のカバー工法の費用
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単価:7,000円〜12,000円/m²
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一般住宅(50m²):350,000円〜600,000円
トタン(板金)屋根のカバー工法の方法
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現在のトタン屋根の点検と下地確認
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必要に応じた補強
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新しい屋根材(ガルバリウムなど)の施工
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接合部の防水処理
カバー工法は廃材が少なく、施工時間も短いため、居住中の施工に向いています。高知では強風対策として、しっかりと固定する施工が求められます。
トタン(板金)屋根の葺き替え工事の方法と費用
トタン(板金)屋根の葺き替え費用
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単価:10,000円〜15,000円/m²
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一般住宅(50m²):500,000円〜800,000円
葺き替え工事では、古いトタンを完全に撤去するため、廃材処理費や下地の補修費が加算されることがあります。
トタン(板金)屋根の葺き替え方法
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既存屋根材の撤去
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下地材(野地板・防水シート)の点検と補修
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新しい屋根材(トタン・ガルバリウムなど)の施工
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棟板金・雨樋などの付属部材の取り付け
築20年以上の住宅や、雨漏りが頻発する高知の古い家屋には、葺き替えが最適な選択肢です。
トタン(板金)屋根の修理業者の選び方
信頼できる屋根修理業者を選ぶポイントは以下の通りです。
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高知エリアに拠点または対応実績があるか
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屋根修理の施工事例が豊富にあるか
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見積もりが明確で項目ごとに説明があるか
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保証やアフターサービスが整っているか
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建設業許可や技能士などの資格を保有しているか
高知の気候や建物構造を理解している地元業者の方が、適切な工法・材料を提案してくれます。高知の屋根修理・雨漏り・外壁塗装専門店「ファーストルーフ」では、こうした情報をご提供するとともに、地域の皆様の暮らしを守るためのご提案を行っております。
最後までご覧いただきありがとうございます。
高知で屋根修理・外壁塗装などリフォームをご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
この記事の監修者

岡林 司
四國スレート株式会社 代表取締役
業歴55年
昭和44年に創業し、高知県で50年以上、屋根・外壁工事を手掛けてきた四國スレートの3代目を務める。
先代から受け継いだ確かな技術や経験。さらに時代の変化を捉え、常に最新の技術と知識を導入し、お客様の多様なニーズにお応えしながら屋根・外壁工事に勤しんできた。
現在では「すべてはお客様のために」という使命を持ちながら、皆様の住まいに関するお悩みを解決し、より良い外壁・屋根工事をサポートするためのブログを配信している。