屋根は家を守る最前線。高知は台風や雨の多い地域なので、瓦選びは慎重になりたいですよね。最近、「軽量瓦」「防災瓦」という言葉を耳にする機会が増えています。これらは従来の瓦と比べて、建物への負荷を抑えたり、災害に強くしたりするための改良がなされた瓦のことです。
これから、軽量瓦・防災瓦がどういうものか、なぜ注目されているか、どんな注意点があるかをご紹介します。
軽量瓦って何?
軽量瓦の特徴
軽量瓦とは、従来の陶器瓦や日本瓦と比べて「軽く作られた瓦」のことを指します。あくまで瓦というカテゴリーを保持しつつ、材料や形状の工夫で重量を抑えた瓦です。
例えば、従来の陶器瓦が1㎡あたり 50〜60kg 程度になるのに対し、軽量瓦は 30〜45kg程度に軽量化された製品も存在します。製品によってはそれ以上軽い物もあります。つまり、約20~50%ほど軽くできるものもあるわけです。
しかし、これら軽量瓦でも金属屋根やガルバリウム鋼板などの極端に軽い屋根材と比べれば、重量の面では重い部類になります。ですから「瓦でありながら軽くしたもの」という位置づけで考えるのが適切です。
軽量瓦と“軽い屋根材”との違い
屋根材として「軽いもの」といえば、金属屋根やスレート系(化粧スレートなど)があります。これらは素材そのものが軽くできており、瓦とは構造や取付方法が異なります。
一方、軽量瓦は瓦の形態を残しつつ軽量化を図ったもの。したがって、瓦屋根の伝統的な外観をなるべく保ちたいという人には適した選択肢です。
防災瓦とは?瓦を災害に強くする工夫
防災瓦の意味
防災瓦とは、地震・風・豪雨といった自然災害に備え、瓦のズレ・脱落や破損をできるだけ抑えるよう設計された瓦のことです。「ただ瓦を載せる」のではなく、災害時にも耐える仕組みを持った瓦が防災瓦です。
具体的には、瓦と瓦をしっかり連結させるロック構造を持たせたり、釘やビスで一枚ずつ固定できるようにしたり、瓦の水返しの構造を強化したりといった工夫が加えられています。
昔ながらの瓦屋根は、木材の桟(さん)に瓦を重ねて置き、部分的に釘で留めるという方法や土葺き工法が一般的でした。しかしこの方法では、強い揺れや風が加わると、瓦が外れて飛んでしまう危険性がありました。
それに対して、防災瓦は次のような対策が取られています
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瓦同士がしっかり組み合う構造になっている(ロック構造)
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瓦を屋根の下地に確実に固定する工法が使われている
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一枚一枚の瓦をズレにくく、外れにくく設計されている
こうした仕組みにより、瓦屋根でありながらも、高い安全性を実現しています。
どんな工夫がされているのか?
では、防災瓦にはどんな技術が使われているのでしょうか?代表的な工夫を見てみましょう
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かみ合わせ構造で耐震・耐風
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専用の爪やアームで瓦をしっかり連結する構造
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すべての瓦を釘やビスで下地にしっかり固定する方法
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棟部はガイドライン工法で施工する 詳しくはこちら
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雨水の侵入を防ぐための、水返しや二重防水の設計
こうした技術は、特に雨や風の被害が出やすい高知のような地域において、大きなメリットとなります。
ロック式
瓦の重なり合う部分に専用のロック機能を備え、瓦をしっかりと噛み合わせることで固定する仕組みです。地震や強風の際にもズレにくく、高い安定性を保てます。
アンダーラップ構造
瓦の上部に「アーム」や「爪」といった突起部分を設け、隣の瓦のアンダーラップに連結する構造です。これにより、瓦同士がしっかり繋がり、外力で落ちない、飛ばない、崩れない屋根になります。
固定工法
屋根に取り付けるすべての瓦を、それぞれ釘やビスを使って下地に直接留める方式です。部分的な固定ではなくガイドライン工法に沿って「全数固定」するため、瓦の浮きや飛散を効果的に防げます。
棟の施工
棟は湿式工法と、乾式工法がありガイドライン工法に沿って施工。のし瓦をステン線等で緊結固定。棟金具で垂木をがっちり固定し、パッキン付きステンレスねじでしっかり棟瓦を留め付け、地震や耐風による棟瓦のズレや飛散を防ぎます。
防水性能向上の設計
瓦の端に水返しの溝を設けたり、二重の水の通り道を作ったりすることで、雨や風の侵入を防ぎ瓦重なり部の防水性能を上げるよう工夫された構造です。雨漏りリスクを軽減するために有効です。
軽量防災瓦:性能と軽さの両立を目指す瓦
防災瓦のなかでも、性能と軽さを両立させたタイプが「軽量防災瓦」と呼ばれます。瓦自体を軽くしつつ、災害に強い構造(ロック構造や高強度の緊結方式)を備えるタイプです。
これは、瓦の良さ(意匠性・耐久性)を維持しながら、地震時の負荷を減らしたり、強風時の飛散を防いだりする「いいとこ取り」の瓦と言えます。
葺き替えを考えるときに押さえたいポイント(屋根修理・雨漏りを意識して)
瓦屋根への葺き替えを考えるなら、ただ良い瓦を選べばいい、というわけではありません。次のような点をしっかり確認・比較しておくことが重要です。
建物の構造・耐荷重性の確認
従来工法の住宅などでは、屋根の重量を支える梁や柱に対して、一定の負荷がかかることがあります。
最近では、軽量瓦や軽量防災瓦といった、屋根全体の負担を抑える素材も多く採用されていますが、
屋根を葺き替える際には、建物の構造に応じた適切な検査や、必要に応じた補強工事も視野に入れることが大切です。
瓦を葺き替える際には、防水シート(ルーフィング)、野地板、瓦の取り合い部(谷・棟・軒先など)の設計、施工精度などが雨漏りと深く関わります。瓦自体にロック構造があっても、雨水侵入を防ぐ知識、技術が未熟だと意味がありません。
葺き替え時にはこれらを総合的に対策できる施工ができる業者を選ぶことが必須です。
コストと耐用年数のバランス
軽量瓦や防災瓦は設計が高度なため、材料費・施工費ともに高くなることがあります。しかし、長期にわたり雨漏りやメンテナンスの手間を抑えられる可能性もあるため、導入費用だけで判断せず、長期的な視点で選ぶべきです。
デザイン性・外観との調和
瓦は外観に大きく影響します。軽量瓦・防災瓦を選ぶ際も、色・瓦形状・景観との調和を配慮した製品選びを行いたいものです。最近は意匠性を重視した軽量防災瓦も増えています。
「防災瓦」とは、地震や台風などの自然災害に備えて、瓦がズレたり落ちたり、割れたりするのを防ぐための工夫が施された瓦のことをいいます。つまり、災害時でも安心できるように設計された“強化された瓦”です。
メーカーと製品の事例(日本国内)
以下は、軽量瓦・防災瓦・軽量防災瓦の代表的なメーカーと製品例です。事例として参考にしてください。
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ケイミュー株式会社:ROOGA(ルーガ)シリーズ
樹脂混入繊維補強セメント瓦。軽量性を追求しながら、屋根材としての性能も備えた瓦です。飛来物が当たっても素材の粘り強さで割れ、欠けを防ぐ。 -
鶴弥株式会社:スーパートライ 110(など)
防災瓦として、瓦のロック構造や緊結可能な仕様を持つ軽量瓦です。 -
マルスギ株式会社:SUPER-JⅡ(など)
2.5寸勾配対応防災瓦です。高い防水耐風性能を備えながらも、従来の和型の施工法と変わりません。
意匠性も重視した瓦を扱うメーカーの一例です。
これらの瓦は、軽量性・防災性・意匠性をさまざまなバランスで追求しています。実際に採用する際は、仕様(1㎡あたりの重量、風圧耐力、緊結方式など)を細かくチェックすると良いでしょう。
まとめ:瓦屋根に葺き替える際の新しい選択肢としての軽量瓦・防災瓦
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防災瓦 は、瓦のズレ・飛散・脱落を防ぐための構造的工夫を施した瓦であり、ロック構造・緊結方式・防水設計などで災害時の被害を抑える役割を担います。
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軽量防災瓦 は、軽量化と防災性を両立させた瓦であり、瓦屋根で伝統性を保ちつつ安全性を高めたい場合の有力な選択肢です。
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高知で屋根修理・葺き替え・雨漏り対策を考える際には、地域特性(台風・豪雨・湿気・塩害)を踏まえた性能、施工技術、下地・防水処理の精度、保証・維持管理も含めたコストの見通しをしっかりと把握したうえで選定すべきです。
瓦屋根の美観や伝統性を重んじながら、耐震性・防災性を強化するという観点で、軽量瓦・防災瓦・軽量防災瓦は非常に魅力的な選択肢となります。本格的な屋根修理・葺き替えを検討される際には、高知の気候・風雨特性を熟知した信頼できる屋根業者と綿密に打ち合わせをしながらすすめるのが最も安全で安心です。
最後までご覧いただきありがとうございます。
高知で屋根修理・外壁リフォームをご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。
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屋根修理・雨漏り・外壁塗装専門店ファーストルーフby四國スレート
この記事の監修者
岡林 司
四國スレート株式会社 代表取締役
業歴55年
昭和44年に創業し、高知県で50年以上、屋根・外壁工事を手掛けてきた四國スレートの3代目を務める。
先代から受け継いだ確かな技術や経験。さらに時代の変化を捉え、常に最新の技術と知識を導入し、お客様の多様なニーズにお応えしながら屋根・外壁工事に勤しんできた。
現在では「すべてはお客様のために」という使命を持ちながら、皆様の住まいに関するお悩みを解決し、より良い外壁・屋根工事をサポートするためのブログを配信している。






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