1996年~2008年に製造されたスレートは塗装に適さない場合があります!
この時期に販売された一部の屋根材は、従来品に比べて耐久性が低く、ひび割れしやすい特徴があります。
なぜこの期間の屋根材は耐久性が低いのか?
2006年にアスベストの使用が全面禁止(2012年までは猶予期間有り)となり、切り替え期間で十分な強度を確保できないスレートが流通しました。
この期間に建てられた、または屋根の修理をされた住宅にお住まいの方へ
お住まいの屋根が1996年~2008年頃(2012年までは猶予期間有り)に施工されたものであれば、まずは専門業者に状態を確認してもらうことをおすすめします。
耐久性に問題がある場合や、ひび割れや浮きが発生している状態の屋根の修理は、
塗装ではなく「カバー工法」や「葺き替え工事」をお勧めします。※現在は改善されて一定の強度が確保されております。
その理由は…
塗装だけでは不十分!?「カバー工法」や「葺き替え工事」で根本的な対策を!
高知県は台風や豪雨の被害が多く、屋根の劣化が進行しやすいエリアです。
そのため、屋根修理の際に「とりあえず塗装だけしておけば大丈夫」と考えるのは非常に危険です。
近年、屋根のトラブルは雨漏りやカビの発生、断熱不良など建物の寿命にも直結する問題として注目されています。
この記事では、高知県内で屋根修理を検討されている方向けに、「なぜ塗装では不十分なのか」「カバー工法や葺き替え工事のメリット」「アスベスト問題」などについて、詳しく解説いたします。
【1】塗装だけでは屋根の寿命は延びない
● 塗装はあくまでも“表面保護”にすぎない
塗装は、屋根材の劣化を一時的に遅らせるための表面コーティングであり、根本的な耐久性の回復や修理にはなりません。
高知のように紫外線が強く、降水量が多い地域では、塗膜の劣化スピードも早まり、最短5年で再塗装が必要になるケースもあります。
● すでに劣化が進んでいる屋根には塗装は無意味
屋根材にひび割れ・浮き・反り・欠けなどの劣化がある状態では、塗装をしても防水性が回復することはありません。
そのため、表面をキレイにしても中から雨が入り込み、雨漏りや建物内部の腐食を招く恐れがあります。
【2】「カバー工法」と「葺き替え工事」の違いと特徴
● カバー工法とは?
既存の屋根材を撤去せず、その上から新しい屋根材(ガルバリウム鋼板など)を重ねて施工する方法です。
メリット:
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古い屋根を撤去しないため撤去費用が不要
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アスベスト含有屋根でも飛散リスクなし
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遮音性・断熱性がアップ
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工期が短く、廃材が出ないため環境にも優しい
デメリット:
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下地が著しく劣化している場合は施工不可
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屋根の重量が若干増すため、構造の事前確認が必要
● 葺き替え工事とは?
既存の屋根材と下地をすべて撤去し、新しい屋根材・防水シート・下地を一から施工する方法です。
メリット:
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屋根の構造そのものを見直せる
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耐久年数が20〜40年と長い
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見た目も一新できる
デメリット:
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工期・費用はカバー工法よりも高め
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アスベストが含まれる場合、飛散対策や処分費がかかる
【3】アスベスト含有スレート屋根のリスクと対応
● アスベストとは?
アスベスト(石綿)はかつて広く使われていた建築資材ですが、微細な繊維を吸い込むことで中皮腫や肺がん、じん肺などの健康被害を引き起こすことが知られています。
● 高知の住宅にも多く使用されていた
1990年代以前に建てられた高知の住宅では、スレート屋根にアスベストが含まれているケースが多く見受けられます。
これを撤去する際は、「特別管理産業廃棄物」として厳密な手順と資格が必要となります。
● カバー工法なら撤去不要&安心
アスベスト含有屋根は、撤去時に粉塵が飛散するリスクがあるため、カバー工法でそのまま封じ込めることで安全性が確保できます。
費用面でも、撤去費・処分費が不要になるため非常に経済的です。
【4】高知で屋根修理をする際のチェックポイント
チェック項目 | 内容 |
---|---|
屋根の築年数 | 20年以上経っているか? |
屋根材の種類 | スレート・瓦・トタンなど |
劣化症状 | ひび・浮き・カビ・雨漏り |
アスベストの有無 | 専門業者の診断が必要 |
修理の目的 | 外観だけ?それとも耐久性? |
予算と将来設計 | 短期対策 or 長期維持? |
【5】まとめ:高知での屋根修理は「長期視点での選択」が重要!
高知のように気候が厳しく、建物の劣化が早まりやすい地域では、
「塗装だけではなく、構造から見直すカバー工法や葺き替え工事が結果的にお得で安心」です。
項目 | 塗装 | カバー工法 | 葺き替え工事 |
---|---|---|---|
初期費用 | 安い | 中程度 | 高い |
耐久性 | 5〜10年 | 15〜30年 | 20〜40年 |
アスベスト対応 | 不可 | 可能 | 可能(費用高) |
工期 | 短い | 中程度 | 長い |
総コスト(長期) | 高くなる | 抑えられる | やや高めだが安心 |
アスベスト入りスレートの撤去について
※アスベストが飛散すると健康被害のリスクが高くなります。
アスベストは、細かい繊維状態の鉱物であり、吸入すると肺や呼吸器に重大な病気を発症する深刻な健康被害のリスクがあります。
また撤去、廃棄処分の費用がかなり発生するため、下地の劣化状況など総合的に適切に判断できる専門業者に依頼したうえで、撤去廃棄費用のかからないカバー工法がおすすめです。
この記事の監修者

岡林 司
四國スレート株式会社 代表取締役
業歴55年
昭和44年に創業し、高知県で50年以上、屋根・外壁工事を手掛けてきた四國スレートの3代目を務める。
先代から受け継いだ確かな技術や経験。さらに時代の変化を捉え、常に最新の技術と知識を導入し、お客様の多様なニーズにお応えしながら屋根・外壁工事に勤しんできた。
現在では「すべてはお客様のために」という使命を持ちながら、皆様の住まいに関するお悩みを解決し、より良い外壁・屋根工事をサポートするためのブログを配信している。