屋根修理や外壁塗装などの外装工事を行うと、家族の暮らしにはさまざまな“いつもとは違うこと”が生じます。ここでは、よく起こる変化と、それにどう対処できるかを具体的に説明します。
足場・通行制限・窓の使い勝手が変わる
工事を安全に進めるため、まず足場が設置されます。これにより、次のような制約が出ることが普通です
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窓の開閉がしづらくなる(足場パイプが近くを通るため)
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ベランダ・バルコニーを使うのが難しくなる
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出入口や通路の一部が狭くなる、または物を置けなくなる
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駐車スペースの一部が資材置場になる可能性
対処法:
事前に業者に「どの日にどのルートが使えなくなるか」を聞いておきましょう。移動しやすい備品はあらかじめ片付け、洗濯物は室内干しも想定しておくと安心です。
騒音・振動・作業音が日常に
屋根・外壁工事では、次のような音・振動が出る工程があります
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高圧洗浄による水音
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屋根材の取り外し、金属の打ちつけ、下地処理の音
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塗装中の機械音
特に在宅ワーク中や静かにしたい時間帯にはストレスを感じることも。
対処法:
音が出る日にあらかじめ外出の予定を入れたり、耳栓や防音対策を用意しておくのが有効です。業者に“騒音の強い作業日”を聞いておくと計画を立てやすくなります。
視線・プライバシーへの意識
足場や作業の様子が見えることで、家の中が覗かれているような意識を持つ方もいます。
対処法:
工事中はカーテンやレースを活用する、業者に目隠しシートやネットの設置を頼むとよいでしょう。
資材の搬入・保管、スペースの制限
足場や塗料・資材の置き場が必要なので、敷地内の一部が使われることがあります。庭木・プランター・物置などを作業の妨げになる可能性も。
対処法:
事前に不要なものを移動させ、駐車スペースの代替を確保しておきましょう。業者とどこに資材を置くか、また仮駐車場の確保も打ち合わせておくとスムーズです。
天気・工期のずれ
屋根や外壁工事は、雨・風・湿度など気象条件に左右されやすい工事です。そのため工期が予定より延びることがあります。
対処法:
予備日を含めたスケジュールを組んでもらうようにし、天気予報をこまめにチェック。雨天時に別の工程を先に実施できるような柔軟性を持たせておくと安心です。
水道・断水・養生措置
通常、水道や電気は使えることが多いですが、部分的に一時止めることもあります。また、養生(床・壁・窓などを保護するための覆い)をします。
対処法:
工事のときは水や電気が一時的に止まることがあるので、事前に業者に確認して、水や電気の準備、大切な物の移動、ホコリ対策をしておくと安心です。
臭い・換気の制限
塗料やシーリング材にも揮発性物質が含まれるため、作業中に臭いが出ることがあります。また、足場や養生により窓を開けづらくなる場所も出てきます。
対処法:
可能なら、低臭・環境配慮型の塗料を使ってくれる業者を選びましょう。臭いが出やすい日には通風を重視し、扇風機や換気扇を使うのが有効です。
室温・居住性の変化
工事期間中は風通しが悪くなったり遮光性が変わったりして、室温の上下が激しくなることがあります。
対処法:
冷房・除湿器・風通しを意識して使う、遮光カーテンやすだれを活用するなどの工夫が役立ちます。
よく寄せられる質問と回答
以下に、住宅オーナーの方から多く寄せられる疑問と、それに対する現場視点での回答をまとめました。
Q1. 工事中、仮住まいは必要?
→ 多くの場合、必要ありません。昼間が主な作業時間なので、夜は通常どおり過ごせることが多いです。ただし、住宅の構造・工事内容によっては、特別な事情があれば仮住まいを検討する例もあります。
Q2. 工事にかかる日数は?
→ 建物の大きさ・劣化の度合い・使う工法・天候によって異なります。屋根だけなら数日~2週間程度、屋根と外壁を同時に行うなら2~4週間かかることもあります。
Q3. 屋根塗装だけで雨漏りは直る?
→ 基本的には、塗装だけで雨漏りを根本的に解消するのは難しいことが多いです。ひび割れ・隙間・下地の劣化などがある場合、コーキング補修で対応しても一時しのぎにしかなりません。
Q4. 塗装で雨漏りを引き起こすことは?
→ その可能性もあります。
・縁切りが不十分で屋根材どうしがくっつきすぎて雨水の逃げ場が失われる。
・厚塗りが原因で毛細管現象を誘発する。
・下地劣化を見落とす。
瓦の場合重なり等の中を水が通り抜ける構造になっているため、あらゆる屋根材の知識が無ければ正常な判断は難しいです。
Q5. 外壁塗装はいつすべき?
次のようなサインが出てきたら要注意です↓
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壁を手で触ると粉がつく(チョーキング現象)
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塗膜がはがれている
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ひび割れ・クラックが見える
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コーキング部材にヒビが入っている
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色褪せ・汚れ・藻・カビが目立つ
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サイディング壁がそってきている
これらが見られたら、外壁塗装を検討すべきタイミングと考えてよいでしょう。
Q6. 屋根と外壁を別々に工事するメリット・デメリットは?
→ メリット:工事費用を分散できる、時期を分けて準備できるなど。
デメリット:足場費用が2回発生する可能性、工事中の生活負担が2回になる。
Q7. 同時に屋根・外壁を施工するメリットは?
→ 足場を一度で済ませられるためコスト削減につながる、工期もまとめられる、外観デザインを統一できる、建物全体を点検できるため見落としが少なくなる、といった利点があります。屋根材・外壁材・塗料の期待耐久年数を合わせれることができ、将来のリフォームプランや生涯コストを考えやすい。将来のリフォームプランや生涯コストも視野に入れて検討することが大切です。
Q8. 工事中、断水・電力停止は起こる?
→ 通常は大掛かりな断水や電力停止はありません。ただし、局所的な断水・停止の可能性はあるため、事前に業者にいつ止める可能性があるかを聞いておくと安心です。
Q9. ペット・子どもはどうしたらいい?
→ 騒音や振動が強い時間帯が心配ならば別の場所で過ごす選択肢を用意しておくといいでしょう。
Q10. 工事直後、屋根や外壁を触ってもいい?
→ いいえ。塗料や防水層がまだ完全に乾いていない可能性があります。業者の指示が出るまでは触らないようにし、仕上がり確認も業者と一緒に行いましょう。
暮らしへの影響をできるだけ減らす準備チェックリスト
下記は、施主側が事前にできる準備項目リストです:
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工程表・施工区分を早めに受け取り、日程や制約を把握
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家の周り・ベランダ・窓近くの家具・植木をあらかじめ片付け
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駐車スペースの代替用意
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カーテン・目隠し対策を準備
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使用塗料(低臭・環境配慮型など)を業者と確認
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騒音の強い日・断水可能性の時間帯を業者と共有
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天気の変動に対応できる予備日を含めた工期設定
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仕上がりチェック・保証の内容を事前に確認
総括・ポイント
屋根工事・外壁工事・塗装工事を行うと、足場・通路制限、騒音・振動、資材置き場、視線・プライバシー、換気・臭気、天候リスク、断水・設備制限など、多くの生活変化が生じます。ですが、事前に準備をしておくことで、それらをかなり軽減できます。
特に重要なのは、業者との綿密な打ち合わせ。音の大きな作業日、使えない場所、使用する資材・塗料、保証内容などをしっかり確認することです。また、屋根と外壁を同時に施工するかどうかも、コスト・工期・美観の面から比較検討する価値があります。
この内容が、屋根工事・外壁工事・塗装を検討中の方の不安を少しでも和らげ、工事中の暮らしをうまく乗り切るヒントになれば幸いです。今後は、具体的な工法や事例紹介、費用比較の記事も準備していますので、またぜひご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございます。
高知で屋根修理・雨漏り・外壁塗装をご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

この記事の監修者

岡林 司
四國スレート株式会社 代表取締役
業歴55年
昭和44年に創業し、高知県で50年以上、屋根・外壁工事を手掛けてきた四國スレートの3代目を務める。
先代から受け継いだ確かな技術や経験。さらに時代の変化を捉え、常に最新の技術と知識を導入し、お客様の多様なニーズにお応えしながら屋根・外壁工事に勤しんできた。
現在では「すべてはお客様のために」という使命を持ちながら、皆様の住まいに関するお悩みを解決し、より良い外壁・屋根工事をサポートするためのブログを配信している。