豆知識

屋根修理を頼んでも直らない原因!!

高知県のように降雨量が多く、梅雨や台風の影響を直接受けやすい地域では、屋根修理後にも雨漏りが発生するリスクは非常に高く、施工における選択の重要性が強く求められます。本記事では、「屋根修理後に雨漏りが起こる実情」「屋根修理を頼んでも改善しない理由」、そして「安心できる屋根修理を実現するためのポイント」までを、徹底的に検証・分析します。


1. 屋根修理後の雨漏りトラブルの実態

高知を含む南国地域では、気温変化、湿度、塩害、紫外線といった環境要因が屋根素材に大きな負荷を与えます。また、業者選びを「安さ」や「スピード」重視で行うと、結果として施工の質が低くなり、問題を見逃してしまう可能性が高まります

屋根修理を依頼する際に、知識や技術が不十分な業者を選んでしまうと、施工直後から雨漏りや接合部の浮き、仕上がりの不具合などが生じるリスクがあります。これらの初期不良は、一見すると小さな問題に見えるかもしれませんが、雨風や気温の変化といった自然環境からの継続的な負荷が加わることで、時間の経過とともに劣化が進み、再び重大なトラブルへと発展することがあります。こうした再発トラブルは、余計な修理費用や時間的損失にもつながるため、業者選びの段階で信頼性と実績をしっかりと見極めることが非常に重要です。


2. 屋根修理と雨漏りの関係性

屋根修理は本来、「住まいを雨水から守るための最も重要な工事」の一つです。しかし、施工の質が低かったり、設計や診断が不十分であったりする場合、本来排水すべき雨水が意図せず壁体へ浸入し、内部へ雨漏りを誘発する構造的欠陥となってしまいます

以下は実際にあった雨漏り事例です。


🟥 「水は横に走る」

➡️ 棟瓦の下の勝手瓦の継ぎ目に沿って水が横方向に流れる場合があることを示唆しています。

流れた雨水の跡があります。

解説:

この写真は雨水の流れと屋根構造の注意点を示しています。

  • 本来、屋根の水は「上から下」へと流れるべきですが、この屋根の構造や施工状況では横方向にも水が流れてしまう可能性があると示唆されています。

  • 水が「横に走る(流れる)」状態になっており、雨漏りのリスクが高まる可能性があります。

  • このような場合、水の排水経路の確保や瓦の再調整、適切な防水処理が必要です。


🔍 注目ポイント

1. 赤い手書き

  • 棟の下にある斜めに切断された瓦の事を勝手瓦といいます。
  • 写真の上部に赤い文字で「瓦をカットする」と書かれています。

  • 2. 補修・施工意図

  • カットの指示がある箇所は、水の流れを切るため調整(カット)が必要とされています。

  • 赤線で示された瓦をカットすることにより、雨水が棟の内部に侵入しないようにし雨漏りの防止や雨樋への正しい排水が可能になります。

     

  • 3. 屋根修理後に雨漏りが発生する理由

3‑1 不適切な施工技術

  • 防水シートの重ね不足・歪み施工

  • コーキングの厚さ・縁の仕上げ不良

  • 棟押さえ金具の締め付け不足・勝手瓦のズレ防止処理の未実施

3‑2 屋根の構造的問題の見落とし

  • 軒先の水切り板金:取り合い部の納まり不良

  • 谷部(屋根の谷合):雨水集中部の施工不良

  • 換気棟まわり:シーリングや水切り不備

3‑3 不適切な下地処理

  • 古い野地板の反りや腐食を補修せずにそのまま施工

  • 下地材の釘打ちやシート固定不備


4. 屋根修理を頼んでも直らない理由

4‑1 根本原因の特定ミス

雨漏り箇所と原因箇所は一致しないことが多く、水平伝いの現象があるにも関わらず、漏れている先端部だけを修理してしまうケース。この結果、「直ったはずなのにまた漏れる」悪循環に陥ります。

4‑2 一時的な対症療法的修理

  • 漏れている箇所だけをシーリング補修

  • 部分的に防水シートのみ張り直し

これらは見た目には修理したように見えやすいものの、構造や下地の傷みは改善されず、再発確率が高まります

4‑3 複合的な要因の見逃し

  • 「施工不良」と「構造的問題」と「経年劣化」が複雑に絡み合った状態 ➝ 単一手法では対応不可

4‑4予算制約による不十分な修理

  • 保険や予算の都合上、最低限の材料や方法で済ませる

  • 結果的に、耐久性の低い仕上がりで再発リスクが高い

4‑5 経年劣化・構造的問題の見落とし

  • 腐食・ネジ緩み

  • 断熱・換気、通気構造の不具合が結露や腐朽を招く

→ 雨漏り以外にも、「シロアリ被害」や「天井の変色」「腐朽臭」などが併発する事態に発展します。


5. 効果的な屋根修理を行うために

5‑1 専門家による詳細な屋根診断

  • かわらぶき技能士、瓦屋根工事技士、瓦屋根診断技士による漏水追跡や原因究明

  • 高所点検作業・屋根裏点検

これらを組み合わせた診断ができる会社は全国でも限られており、特に高知ならではの気候条件に対応できる技術力が求められます。

5‑2 原因に応じた適切な修理方法

  • 強風・地震対策としての瓦屋根標準設計・ガイドライン工法での施工

  • 「瓦屋根ガイドライン工法」とは、地震や台風などの自然災害に強い瓦屋根を実現するために、日本建築防災協会や全日本瓦工事業連盟などが策定した耐震・耐風性能を高めるための施工基準のことです。
  • 下地腐食があれば野地板の部分交換 or構造用合板での野地板重ね貼りor全面張替え(2025年4月以降に着手するものは、建築確認手続きの対象となるものもあります。)
  • 結露対策として外断熱構造や換気棟化を組み込んだ施工

  • シーリングは過酷な自然環境・紫外線に耐える高性能なものを使用

5‑3 施工後の保証

ファーストルーフでは2つの保証制度を設けています

工事保証:ファーストルーフ(四國スレート(株))が提供する保証で10年となっております。

メーカー保証:屋根外壁材料を製造したメーカーが定める保証。材料や製品によって保証期間には差があります。

  • 点検内容は全体チェック・写真記録・漏水有無確認


まとめ

  1. 「屋根修理を頼んで終わり」ではなく、「修理後の管理と診断」が実は最も重要

  2. 目視だけで判断されがちな屋根修理でも、構造診断が欠かせない

  3. 高知などの多雨・強風・熱影響の強い地域では、本格的な技術・材料導入が安心を支える

屋根修理や工事は、構造全体の安全性を左右する重大な工事です。一時しのぎではなく、長い目で安心できる屋根を修理業者を選びましょう。ご相談・診断のご依頼は、いつでもお気軽にお問い合わせください。

最後までご覧いただきありがとうございます。

高知で屋根修理・雨漏り・外壁塗装などのリフォームをご検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

高知県高知市高須新町2丁目1-38 松栄ビル1階

屋根修理・雨漏り・外壁塗装専門店

ファーストルーフby四國スレート

この記事の監修者

四國スレート株式会社 代表取締役 岡林司

岡林 司
四國スレート株式会社 代表取締役
業歴55年

昭和44年に創業し、高知県で50年以上、屋根・外壁工事を手掛けてきた四國スレートの3代目を務める。
先代から受け継いだ確かな技術や経験。さらに時代の変化を捉え、常に最新の技術と知識を導入し、お客様の多様なニーズにお応えしながら屋根・外壁工事に勤しんできた。
現在では「すべてはお客様のために」という使命を持ちながら、皆様の住まいに関するお悩みを解決し、より良い外壁・屋根工事をサポートするためのブログを配信している。